指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

ビートルズのサージェント・ペパーズ。

 基本的には作品と自分という一対一の関係を至上と考えるある意味での原理主義者でなんにせよあまり作品についての人の評価というのを意に介さない。記憶をたどるとビートルズのアルバムで最も評価が高いのはサージェント・ペパーズだと教えてくれたのは親友のssでもう随分昔のことのような気がする。それ以来サージェント・ペパーズには一目置くことになる。でも前にも書いたようにきちんと腰を据えてビートルズのオリジナルアルバムを聴き込んでみると個人的にはサージェント・ペパーズにはあまり感心できるところがない。「She's Leaving Home」はすごく美しい曲だと思うくらいがせいぜいだ。「A Day in the Life」のカタルシスもそんなすごいかこれ意外と通俗じゃねえかと首を傾げざるを得ない。それで自分としては「Abbey Road」がいちばんいいアルバムなんじゃないかと思って来たしそのことは以前ここでも触れた。そしたらブルータス誌の最新号によると村上春樹さんは「Rubber Soul」がいちばんだと考えてらっしゃるそうでやっぱサージェント・ペパーズじゃなかった。なるほど。「ドライブ・マイ・カー」も「ノルウェイの森」も収録されている。「ミッシェル」と「ガール」もすごくいいな。ちなみにアルバムタイトルはずっとゴム底という意味かと思ってた。でもそれなら綴りはrubber soleだよね。調べるともう少し深い謂われがあるようだ。
 「村上RADIO」も毎日聴いている。流し聴きしてるせいか強く心惹かれる曲がない。でも繰り返し聴けばまた何か見つかるだろう。「スタークロスト・ラヴァーズ」みたいに。そう言えば図書館にブルース・スプリングスティーンの「Western Stars」が届いたので聴いてみる。分類はメインストリーム・ロックということでこれではなんなのかよくわからない。でも聴いてるとカントリー色が随分濃いような気がする。一聴してすごく新鮮という印象にはならない。でも逆にこういう使い古された構成で今でも聴き応えのある曲がつくれるのかという驚きはある。「村上RADIO」で初めて聴いて気に入った「Moonlight Motel」も同様でこういうメロディーラインでまだ美しい曲ができることに驚かされる。それとブルース・スプリングスティーンの厚みのあるボーカルにもなんて言うかこう迫ってくるものがある。しばらく聴き込んでみたいと思う。
 明日からTokyo FMの「THE TRAD」という番組に村上さんが出演され稲垣吾郎さんと対談するということでこれも録音することになりそうだな。村上RADIO公式のツイートで知った。