指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

窓が開く。

 午後人がやって来て物音を立ててるなと思ったら小一時間すると静かになったので外へ出てみると階段に設置された窓が五センチほど開いていた。それ以上は開かないようにロックされている。隣の人は在宅のようでたばこの匂いはしている。でもその窓の隙間からそよそよ風が入ってきてるみたいなのでこれでも充分効果があるのかも知れない。とりあえず様子を見てくれと大家が言ってるので様子を見ようと思う。これで匂いがしなくなればこちらとしてはなんの文句もない。
 「村上春樹全作品」を図書館で借りることにしてリクエストを出した。重いので前期の一巻目だけ。小冊子が運良く挟み込まれていれば塾でコピーしようと思う。収録作は「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」。作品も読み返してみようかな。前に読んでからまだ一年ちょっとしか経ってないけど。曲は南沙織さんの「17才」にかわる。
 歌謡曲を集めたオムニバスCDを借りてパソコンに取り込んである中にこの南沙織さんの「17才」を見つけてプレイリストに加えた。いい声だなあ。それでなんだか無性に南沙織さんの他の曲が聴きたくなって図書館のサイトでベストを探してリクエストした。でも二タイトルくらい所蔵されてる両方共が貸し出し中で驚く。人気あるのかな。たぶん借りてるのは僕と同じくらいか少し上の世代じゃないかと思うんだけど。曲は山口百恵さんの「横須賀ストーリー」にかわる。この人のベストは持っている。
 それとちあきなおみさんも聴きたくてやはり図書館のサイトで探す。「喝采」名曲だよね。それから何年か前にCMで使われた「黄昏のビギン」も聴きたくて両方入ってるCDを見つけてリクエスト。こちらは在庫があったのですぐに借りられると思う。あとたぶんカセットで持っててとてもよく聴いた中森明菜さんの「BEST 2」も長いこと借りたいと思いながらなぜか借りてなかったのでついでと言ってはなんだけどリクエスト。これは本当にいいアルバムですごく楽しみにしている。じゃあさっさと借りればよかったのにね。曲は研ナオコさんの「あばよ」にかわる。研さんは「愚図」もいいなあ。そんな風な古いボーカルをまたちょっと腰を据えて集めたいとすごく唐突に思い始めた。老い先が短いからなのかなあ。
 確かに57歳と58歳は随分違う気がする。58になるともうすぐそこに60が迫ってる実感がある。母方の祖父は63歳で亡くなった。その年までもう五年しかない。祖父が亡くなったとき僕は17歳だった。すると祖父は今の僕の年で中学生の孫がいたことになる。僕が孫を持てるとして中学生になるにはあと最低でも十五、六年はかかるだろう。そこまで生きてられるかなんて本当にわからない。まあ子供が独立してしまえば背負ってる責任の半分は果たしたことになる。でも家人の稼ぎだけではとても暮らして行けないと思うしなんとかもう少しがんばらないとなあ。曲は山口百恵さんの「秋桜」にかわる。