指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ついてない。―村上春樹ライブラリー十三回目。

 クリスマスコンサートに誘われた(と言うほど大げさなもんじゃないけど)ので昨日村上春樹ライブラリーの予約の表を確認したら今日の午後にキャンセルを見つけて予約し三時十五分からの回に出かけた。コンサートの行われるカフェだけなら予約無しで入れる。ただ金曜日は顔見知りのスタッフさんがふたりいるはずなのでできれば挨拶してコンサートに足を運んだことも知ってほしいと思った。喜んでもらえるかも知れないから。ところが入館しようとすると検温のスタッフさんがいつもの人ではなかった。昨日はその人だったので金曜日の担当から木曜日へとシフトしたのかも知れない。その上カフェに下りて行くとコンサートはもう終わったようだった。さらに館内を一巡りしたところもうひとりの顔見知りのスタッフさん―一番最初に話しかけてくれた―はどこにも見当たらなかった。こちらもシフトが変わったのかも知れない。ということで今日のもくろみは全部からぶってしまった。もともとコンサートを聴くつもりで何も持って行かなかったので村上さんの本の展示室(ギャラリーラウンジというらしい)をうろうろ見て回った。すると吉元由美さんの「するめ映画館」という本があったので目次を見ると村上さんとの対談も収録されている。それを少し読んで早めに引き上げることにした。今年中にあと二回予約している。

 「17才」以外に知ってる曲があるのと家人に訊かれて二、三曲はあるよと答えた南沙織さんのベストはでも聴いてみたら23曲中17曲という驚異の知ってる率で自分でも驚く。いやしかし懐かしい。南さんがデビューしたときまだ小学校の低学年で何しろいろんなことを容易に記憶できたんだと思う。だからメロディーだけでなく歌詞もそこそこ覚えている。覚えてるのに忘れていたナンバーにこんな風に巡り会えるのがこういうコレクションの醍醐味だ。しばらく南さんを聴き続けたい。