指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

最近のこと。

 うっちゃんの挙式の日取りが決まって来年一月ということだ。披露宴に呼びますねと言われたまーさんはでもその場で軽く断ったと言う。何を着て行っていいかわからないし誰も知ってる人がいない席はきついというのが理由だとこっそり教えてくれた。そりゃそうだよね。仲良しだからってバイト先の知り合いにそんなとこ呼ばれたかない。すごいよくわかる。僕は呼ばれてないので一応胸をなで下ろしている。もっとちゃんと断った方がいいかなと言うのでわからないけど気持ちは察してもらえたんじゃないでしょうかと答える。
 当のうっちゃんは散歩とかジム通いとかして式までに何キロかやせたいんだそうだ。個人的にはふっくらしてるのがうっちゃんだという固定観念があるのでそんな必要あるのかなと思う。ただ僕にしても人がふっくらしてるのはよくても自分がふっくらしてるのには相当コンプレックスがあるので彼女も同じ思いなのかも知れない。それにウェディングドレス姿にはそれなりにこだわりがあるみたいだし。旦那さんもやせるのかな。彼もなかなか立派な体格だけど。
 自分のことについて言うともう随分長いこと身長を測ってなくてたぶんいちばん高かった頃に比べるとかなり低くなってるんじゃないかという気がする。体重の方はわずかずつではあるけど減っている。十年で二キロくらい?これは食べる量が減ったことが原因だと思う。家人は一貫して全然太ってないと言ってくれる。でも本人はもうちょっとやせて七十キロを切るといいなあとずっと思っている。ひざの痛みもあるいは少しはやわらぐかも知れない。まあでも今のところジムとか行くつもりはない。そんな時間もない。
 バイト先に来てる障がいのある女の子のことを書こう。まず名前をつけておく。ねひちゃんにしよう。このブログでもすでに二度ほど触れたことがある。片足を引きずるように歩くのであまり速くは歩けない。その他にもどうも体が弱いようで暑い場所では十五分が活動限界だ。三十分続けて働くと頭痛が出てしまう。だから十五分作業したら必ず涼しい場所で十五分休めるように作業を組んであげるんだけど前にも書いたように頑固なのでなかなか人の言うことを聞かない。会社側も戦力としては最初から大して当てにしてない節があるので僕としてはその線で気楽に仕事してくれればいいと考えている。でも彼女は人の役に立ちたい一心でがんばっちゃって後でぐったりしている。最近まーさんとうっちゃん(前にも書いたようにうっちゃん自身はねひちゃんのことを遠ざけようとしてる。)と僕のことは信頼し始めたようで持って行き方次第で随分言うことを聞くようになった。○○さん(僕のこと)と仕事一緒だとうれしいんですよー○○さんやさしいからーとか言う。だったら君も自分に対してもっとやさしくしなきゃ駄目だよすぐ頭痛くなるんだからと答えるとちょっと不服そうにしてる。でも正直仕事なんかより体の方がずっと大切なので強く言ってでも休ませる。最近顔を見かけないなと思って今日シフト担当のしーちゃんに尋ねると新型コロナ陽性で少なくとも今週いっぱいは出て来られないと言う。いれば面倒だけどいないとなるとなんかちょっと寂しい気もする。特に彼女のすべき仕事をいない彼女の代わりにやったりするときは。強い症状が出なければいいなくらいのことは願っている。
 子供が前期試験の単位をひとつも落とさなかった。本人も相当ほっとしたみたいだ。語学の中の一教科がすごく難しい試験だったと言ってたので尚更かも知れない。とにかく随分がんばってるみたいなので親としても頼もしい。