指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ハロウィンを片付けた後で突然気づく。

 昨日は塾のハロウィンの飾り付けを全部しまい例年通り寂しい教室になった。日ならずしてクリスマスの飾り付けをすることになるだろう。火曜日は普段はバイトに入る。でも今日はいろいろスケジュールの都合でお休みになった。それでも朝7時過ぎにはいつも通り目が覚めてしまう。朝食を終える頃に子供が起きてきて朝食を済ませて大学へ行く。火曜日は比較的早く帰って来る日だ。洗濯物を干してから家人と共に駅前まで行き昨日までに納めなければならなかったのに忙しくて納められなかった家賃を振り込む。それから別の銀行で振り込まれていた授業料をまとめて下ろす。銀行振込を選択している保護者の中には滞納者はいないので月末までに全額振り込まれている。当たり前のことなんだけどこれが助かる。塾に現金で持って来る生徒さんの保護者の中には滞納の常習者がいてこちらの羽振りがいいときは構わないけど今みたいに毎月ぎりぎりで生活するようになるとこれが結構きつい。ただ催促をするというのがあまり得意ではないので本当に困り果てるまでは我慢している。それから当たり前ながらひとつ絶対に守り続けてる原則があって生徒さんにはお金の話はしないというのがそれだ。滞納の責任は保護者にあるんであって生徒さんにはなんの責任もない。お金のことで引け目に感じても欲しくない。金輪際。
 それだけを済ませると最寄りの西友まで買い物に行く。今夜の食材や昼飲むチューハイやアテや明日の朝食の分のパンなど細々買って帰る。帰り道の途中で安いお弁当屋さんに寄って三人分の昼食を買うのもいつもの通り。ただしバイトを始めてからそのルートを辿ることがめっきり減った。それでもそのお弁当屋さんのお弁当を週に一、二回口にするのは家人や子供がひとりで買って来てくれるからだ。値段の割にはなかなかおいしくて気に入っている。もっとも10円ずつ徐々に値上がりして行きこの十年で60円ほど上がってしまった。まあでもそれは仕方ないことだと思っている。それだって充分安いし。自分で書いてて驚いたけどもう十年も通ってるんだね。そう言えば会社を辞めてから昨日でちょうど十年経ったんだった。十年間よくぞ生き延びられたもんだと思う。前にも書いたけど十年前の自分に少なくとも十年は生き延びることができ子供も大学に無事通わせてるぞと教えてやりたい。どれほどほっとしただろうか。
 帰ってシャワーを浴びて一杯やってお弁当を食べて昼寝。午後2時頃子供が帰宅し物音でちょっとだけ目覚める。それからすぐにまた寝入ってしまう。昼食を済ませた子供が出かけるときにまたちょっと目覚めてもう一度眠る。夕方から授業で塾に行くと子供が勉強している。生活は相変わらずきつい。でもこの十年間とりあえず自分は幸せだったと思う。できればネクスト・ディケイドもそうありたい。