指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

おふたりとお別れ。

 バイト仲間だった学生さんのひろたんとかごくんが揃って今日まででこれ以降シフトに入らないことがわかった。僕としてはそのふたりが同じ日に辞めてしまうことを神の配剤みたいに奇跡的なことと思ってるけどもちろんそんなことを思うのは当のひろたんやかごくんも含めても僕だけだ。みんなただ散文的に辞めて行く。そして社会に出て行く。僕としてはもう会えないと思ってたかごくんが思いがけず今日のシフトに入ってることがわかってかなりうれしかった。別れの言葉を交わすことができた。ひろたんには前に書いたようにお気に入りのシャーペンを渡すことができてこれでひろたんとかごくんと僕とで同じシャーペンを共有することになった。でもたぶんそれを大切なことだと思ってるのは僕だけだ。年寄りはおセンチ(死語?)だよね?誰もこの一件にそんなに重要な意味を見ていないんだや。