指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

解熱。

 結局昨日は午後も時々うとうとしながら横になって過ごした。水分だけは摂るように心がけた。もっとも僕は普段でも真水だけで三から四リットル飲んでいる。起き抜けに一リットル。バイトがあれば午前中に一リットル。午後から夜の塾の時間に一リットル。寝酒と一緒に一リットル。よくそんなに飲めるねと言われることがある。どうしてかと言うとこれもどこかに書いてあるに違いないんだけど小五の頃に急性腎炎になってそのときに言われたお医者さんの言葉を今でも守ってるからだ。腎臓をきれいに保つためにできるだけたくさん水を飲みなさい。要するに三つ子の魂百までという訳だ。だからたぶん水を飲むことに対しては抵抗が少ない方なんじゃないかと思う。おなかが空いたので夕食も普通に食べて寝酒も飲んで一日休んでたから眠れないかなと思ったけど全然ぐうぐう寝た。起きると熱は六度台前半まで下がってた。よかった。早朝からのバイトは時短の上に受付の仕事だったのでかなり楽。夏期講習もないので帰ってシャワーを浴びて涼しい部屋で休む。家人はやめておいた方がいいと言ったんだけど大丈夫そうだったので買い物にも一緒に行く。暑い。でもちょっと秋じゃね?とふたりで話す。年取ると秋の気配に敏感になる。どうしてかはわからない。たぶんある種の衰えが関係してるんだと思う。ただその感じは意外と悪くない。いつまでも夏が続いて欲しいと(たぶん)願う子供たちとは違う。大人は今や命に関わる暑さを備えた夏が早く終わることを切に願っている。いや違うな。そうじゃなく遠い彼方に夏の終わりが見えることが単純にうれしい訳だ。雲に。風に。日差しに。帰ってきてまたシャワーを浴びて飲んで食べて昼寝。夕方は授業のために塾に行く。不登校の小学生の日で今日は疲れたので三十分の授業でいいとお母さんは言う。そう言うお母さんはどうやら毎回塾の授業を見守りに来るようだ。微妙なシチュエーションなので多少過保護な面が見え隠れしてるんだけどそんなこと言い始めたら話をややこしくするだけなので黙って従う。夕方からバイト。過酷な環境なので昨日の発熱のことが気になるけど結果的に何事もなく仕事を終える。夕飯は鮭の焼いたの。今日も無事終わってよかった。