国語の高校入試問題や模試の問題を解いてるとこういう小説ってどんな人が書いててどんな人が読んでるんだろうと思わされる作品というのが結構ある。作者名を見ると知ってる場合もあればまったく知らない場合もある。知ってる場合はこういう作風の人なんだねとちょっと意外に思ったり納得したりする。特徴をあげるとまず主人公はティーンまでの生徒たち。小中高を問わない。男女も問わない。テーマは友だち関係とか家族関係とかがメイン。たいていはなんらかの心の痛みが描かれている。ありのままの生活が舞台でたとえばファンタジー的な要素とかミステリー的な要素とかは皆無。僕の知る限りでは恋愛もあまり入って来ない。まったくない訳じゃないけど稀だ。文体は軽く読みやすく理解しやすい。ただ切り取られた問題文しか読んでないせいかも知れないけどなんかこうこんなの読んでどうすんだという気もしないでもない。確かに読んでる間はそれなりに楽しいかも知れない。でも読み終えてしまえばほとんど何も残らない。そこがいいんじゃん。いちいち何か残ってたら重くて仕方ないじゃん。という考え方もあってそういうのを当てにして書かれてるのかも知れない。ジャンルで言うとジュブナイルとかヤングアダルトとか言えばいいんだろうか。それはジャンルじゃなくて対象年齢か。でも個人的にはもう一歩踏み込んで入試問題小説とでも呼んでおきたい気がする。高校受験の準備をしてる方にならあるいはイメージがつかんでいただきやすいかも知れない。本作もそんな感触を備えている。普段こういう作品を自分から手に取ることはないけど今回は子供が大学の図書館から借りてきていたので興味を引かれて読ませてもらった。でもおもしろいと言えばおもしろいし切ないと言えば切ない。続編があるということなので機会があれば読んでみたい。ただしこのページ数でソフトカバーでこの値段はちょっと高いかな。本は本当に高くておいそれとは買えなくなった。余程のことがなけりゃ買わないけど。
今日のスイムは25分46秒で千メートル。泳いだだけでよし。