町田康さんが好んで書かれるジャンルにはロードノヴェルがある。と言い切ってしまっていいんじゃないかと思うほどその数は多いような気がする。「宿屋めぐり」がそうだしこの前の「ホサナ」も明らかにそうだった。「珍妙な峠」なんかも含まれると思うし「俺、南進して。」も同列だ。ロードノヴェルの効用とはなにかと言われるとこと町田さんに限って言えばそれは荒唐無稽への指向ということになるように思われる。上記の四作に比べるとたとえば「告白」なんてリアリズムで書かれた端正な作品に見えてしまう。でもよく考えると「告白」でさえほんとはかなりぶっ飛んだ作品だ。ただし町田さんがロードノヴェル形式を選んだ場合のぶっ飛び方はその比ではないと言っていい。正直言って町田さんのファンの中でもこの形式の作品には辟易してるという方も相当数いらっしゃるんじゃないかと思う。かく言う僕も年と共にだんだん着いて行くのが難しくなってるのを感じる。それでも瞬間瞬間に現れる小さな喜びとか寂しみとかあるいは展開の妙がつくり出す思いがけない爽快感とかそういう情緒を頼りにして読み進めている。そしてそう書いてみると生きてるということは町田さんのロードノヴェルを読むことと似てるのかなと思わないでもない。まあでも考え過ぎなんだろうな。本作もそうした系譜に連なっている。
今日のスイムは24分15秒で千メートルとなかなか。同じコースで泳いでるのがよく知ってるお客さんで若い女の子なんだけど彼女の方がペースが速いのはわかってたので追いつかれそうになるとターンしないで立ち止まって先に行かせた。それでも速い人と泳ぐと迷惑をかけたくないと思って自分もペースを上げるので今日みたいな記録が出たんだと思う。ハイペースでも特に苦しくなかった。
泳いだあと障がい者枠で一緒に働いてるねひちゃんをプールサイドに見かけたので挨拶すると○○さん(僕のこと)一緒に泳ぎましょーよーとプール全体に響き渡るようなでかい声で言われて恥ずかしかった。大体一緒に泳ぐってどういうことと思ったけど彼女が言いつのるのでじゃあ十分だけなと言っていちばん初心者のコースに入った。彼女は足が悪くて歩くのがちょっとだけ困難に見えるけど泳ぐのはうまい。ただ最近水が入って耳をやられたということで背泳ぎが不得意になったそうだ。背中を支えてもらえば泳げるんですけどと暗にそうして欲しいと言ってきたので悪いけど大人の男の人は若い女の子の体には触れないんだよと言い含めて諦めてもらう。それでもう三十年近くやったことのない背泳ぎをやってみるとまあまあ進む。でも力の入れどころがよくわからずなんだかふわふわ泳いでる感じなので僕はクロールだけでいいかな。という訳で相変わらずねひちゃんにはすごい懐かれてんだけどどうしてかはよくわからない。
気がつけば千メートル泳ぐ千文字書く百ページ読むの三冠達成。二日連続。読んだのは三百ページ近かったので大満足。
