指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

たぶんそういうことになるんじゃないかと思う。

 町田康さんのロードノヴェル。例によってかなりの振り切り方なので着いて行けない読者は着いて行けないと思う。かく言う自分もあまり偉そうなことは言えない。ただもしかしたらそういうことなのかも知れないと気づいたことだけ書き留めておく。主人公はJRの急行だか特急だかの指定席券を買おうとして券売機の画面に「ムーンライトながら」という文字列を見出す。子供が大の鉄道ファンだった頃の記憶からこの「ながら」は「長良川」の「長良」でつまりその川にちなんだ急行だか特急だかの名前じゃないかとすぐに類推がついた。でも主人公はこの名前を素でか故意にか誤読して「ムーンライト乍ら」ととる。「ムーンライトなんですけど」ほどの意味になる。そして途中で月光になってしまう電車のことなのかとか想像をたくましゅうする。その後いろいろ荒唐無稽な設定なども導入されるんだけど要するに「途中で月光になってしまう電車」というものがあるならそれはどんなものかという関心のあり方一点のみで最後まで物語が引きずられて行ってる。そういう風に考えるとこの作品の成り立ちが随分クリアに見通せるような気がする。もっともだからと言ってこの作品が読みやすくなるという訳では決してない。したがってネタバレにも全然該当しない。ということにたぶんなるんじゃないかと思う。
 子供が外出してたので買い物に行って昼食は適当に済ます。昼寝のあと塾で本を読みいつもより一時間早く出かけて泳ぐ。24分45秒で千メートル。混んでた割にはまあまあかな。最寄りの駅まで来て家人と待ち合わせてラーメンを食べて帰る。今週はバイトがない最後の週になるだろうか。そうなって欲しいと思いながらバイトのない時間を今は大切に過ごす。家人と出かける。本を読む。