三ヶ月ぶりの通院の日。出かける直前に思いついたのは随分前に買って読まずに置いといて何年か前に思い出してベッドで読み始めたのに全部読まないうちに読むのを止めてそのままベッドサイドに置きっぱなしにしてあった文庫本のことだった。病院の待ち時間にあれを読もう。手に取って軽く埃を払ってバックパックのサブのポケットに収める。それで待合室で読み始めたら単行本で読んだことがあるはずなのにところどころしか覚えてなくておもしろい。つか小説っておもしろい以外に褒める形容詞がないんですかね。個人的には「ここんところいいなあ」というのがいちばんしっくりくる讃辞だ。その正体を解き明かすには今はもう酔いすぎてる。でもいいなあいいなあと思ううち塾の授業の間も読み続けて結局一冊読んでしまった。もっとも170ページしかないから読み通すのにもそんなに時間はかからない。読み終えてわかったんだけどこの文庫版は単行本に加筆されたものだそうだ。だから読んだことのないところが結構あったのかな。それとも自分が忘れてるだけなのかな。加筆される前の単行本も持ってるので読み比べたい。