指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

久々にヤカさんに会う。

 バイト先にいるすごく気の合う院生の女の子ヤカさんの話を以前したことがある。しばらく会ってなかった彼女が今日バイトに来てた。目を合わせてお久しぶりですねと声をかけるとお久しぶりですと返してくれる。半年ぶりくらいですかと尋ねるとそんな訳ないじゃないですかと言うんだけどこのブログによると最後に会ったのは五月だったみたいだからたっぷり半年は経ってる。仕事の合間にもう一度見かける機会があったらこちらを見て両手を頭の上でひらひらさせて呼んでるので寄って行って忙しかったんですかと尋ねると忙しかった理由を話してくれるんだけどお互い仕事の最中なので話の途中でお客さんにさえぎられてしまった。帰り際に彼女のところに行って次の勤務いつですかと尋ねるとわかりませんと言う。話が途中になっちゃったからまた続き聞かせて下さいと言うとはいと言うのでそのままお疲れさまですと別れた。彼女とラインとかでつながれたら楽しいのかも知れないと思う。でも今の僕にはそれがなんだか恐いことのように感じられる。彼女が僕に対して示す親和の強さはもしかすると何かのっぴきならない真剣さを含んでるかも知れないと思わせるからだ。同じことを感じたのは結婚する前の家人以来のことなのでもちろんヤカさんは僕が結婚してることを知ってる訳だけどそういうのを度外視して何かを望んでるようにも感じられることがある。そうであったとしてももちろん僕にはそれに応じられるものが何ひとつない。だとしたらこれ以上彼女に近づくべきではないのかも知れない。彼女に近づいて来てもらうのはとてもうれしいことではあるんだけど。