指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

そういうのなかったらもっとよかった。

 今このブログを検索すると2011年に一作目の「武士道シックスティーン」を読んで以来セブンティーンとエイティーンを一年ごとに読んでるみたいだ。だから最後のエイティーンを読んでからもう十二年が経ってる。それでも同シリーズの現時点での最新刊「武士道ジェネーレーション」というのが出てると遅まきながらつい最近知ったときはそれだけの年月を越えて是非読んでみたいと思った。それほどこのシリーズの印象がよかったということになる。今回読んでみての感想と言えばまず作者の剣道への造詣がとても深く剣道に関しては特に詳しくない者にもどういうことが起きてるのかがリアルに伝わるように的確な表現とイメージが使われてること。登場人物たちのキャラがどれもきちんと立っていてそれぞれに魅力があること。思いがけないストーリー展開で興味を逸らされないことなどが挙げられると思う。特に主人公のひとり香織とそのお師匠さんの武士道への理解の仕方には説得力があって深くうなずける。ただし自虐史観のくだりは必要だったのかなあと首を傾げざるを得ない。もちろん登場人物の台詞を借りてる訳だけどかなりな程度作者のなまの声のような気がして若干引いた。たとえばそれが先ほど触れた武士道の考え方と深い関わりがあるとかいうのなら話が別だけどどう考えてもそういう訳でもなさそうに思えてこういうのなかったらもっとよかったと思った。百歩譲って自虐史観に関する作者の見解が正しいとしてもそういうのを作品に織り込むにはもう少し丁寧な操作が必要だったんじゃないかと思う。でもそれ以外はとてもよくて何度か涙が出た。あっでもラストは賛否の分かれるところかな。道場を守って行かなきゃならない香織がそんな決断するわけないじゃんとか僕も思ったし。続きが読みたいけどもうこれ以上は無理だろうな。行くところまで行っちゃった気がするから。このシリーズが好きならこの本も読んでみたらいいよとかアドバイスを下さる方がいらっしゃるならとてもうれしいです。是非お聞かせ下さい。ちなみに宮島未奈さんの成瀬シリーズはすでに読みました。あっすいません。今日六十二歳の誕生日でした。