この本のことは確か読者登録してるダレカさん(id:dareka-backroomさん)のブログで知って図書館にリクエストしたんだと思う。それから随分待たされてやっと順番が回ってきた。京大文学部出身の小説家でもある著者が高校から予備校そして大学へと学歴に取り憑かれながら進んだ道のりとそれから言ってみればその同伴者たちの姿をおもしろおかしくときに悲哀を込めて描いたエッセイということでいいと思う。僕も作者と同様進学校な男子高で三年を過ごしたのでダイレクトに理解できる情緒が多くてそういう意味では共感を禁じ得なかった。僕も「私の早慶大合格作戦」とか熟読してたし最低でも早慶と信仰のように思い込んでそれ以外受けるつもりはなかったし高校在学中は女の子なんてまったくいない環境だったしそういうのって進学校の男子高では割に普遍的なんだと思う。ただ個人的にはここに描かれてる学歴狂群像とは異なりあまり他人のことには干渉しなかったし干渉されもしなかった。うちの高校の生徒たちがみんなドライだったのかと言えば多分そうではなくて僕が最後まで高校生活になじめなかったからだと思う。部活にも入らず放課後はソッコーで帰宅して夕方放映されてたアニメの再放送を観たり自室で音楽を聴いたり勉強したりするのが好きだった。今から思うと勉強すること自体は割に好きだった。ちょっと成績がいい以外何も取り柄がない奴と自分のことを思ってたので勉強に対するハードルは自然に下がっていたんだろうという気がする。そう言えばこの本の登場人物たちにも不思議なほど勉強することに対する抵抗がない。もしかしたら僕のように自分は勉強しか取り柄がないとわかってたからかも知れない。あえて難を言えば登場人物たちのエピソードはおもしろいとしてそれに加えられる著者の分析と言うか教訓探しと言うか各章のおしまいにある部分はやや冗長な気がした。
勉強を嫌がらないモチベーションって何なんだろうと思う。塾でどんなに丁寧に教えても生徒さんに勉強する気がなければゼロにしかならない。成績が上がらないから塾を辞めると言われてもそれってお宅のお子さんのせいであって塾のせいじゃないですよねだってやる気が全然ないんですからと言えば言える気がするんだけどもちろんそうとは言えない。最近「やる気スイッチ」ってCMで見かけなくなったけどはっきり言わせてもらう。「やる気スイッチ」なんてない。ある訳がない。
