指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

あと一日。

 ごみ出しと清掃のバイトは残すところあと一日になった。会社から貸与されてたユニフォームやスマホや資料なんかはまとめて送り返さなければならない。それはこの前塾の教材を送ってもらったときの段ボール箱に大体まとめ終わってる。後は明日着る分のユニフォーム一式とスマホを持ち帰って入れればできあがり。会社から着払いの伝票もすでに受け取ってるので電話して塾の時間帯に集荷に来てもらえばおしまいだ。やっとこのバイトから足を洗うことができる。来週から仕事を請け負いに来る代行員のスケジュールが今日ファクスで管理人室に送られて来た。知らない人も多い中いちばん初めに仕事を教えてくれた代行員の名前もちゃんとあって彼に仕事が戻って本当によかったと思った。直接会って言葉を伝えることはできないけど幸多かれと願ってる。明日は朝のバイトが終わったら塾で家人と待ち合わせて買い物に行くだろう。気温もすごく上がるらしいしきっと晴れ晴れとした気持ちになるだろう。ずっと悩まされてる胃痛も今のストレスから解放されればよくなるかも知れない。夕方はイレギュラーで塾の授業があり夜はプール監視のバイトがある。それなりに忙しい日になるだろう。でももうあのごみ置き場には戻らなくていい。この一ヶ月その日だけをひたすら待ちわびてやって来た。ときには本当に暗い気分になったりもした。でももう終わりだ。こんな仕事は二度とやらない。もっと日当たりのいい場所でもっと明るい仕事をする。その判断が倫理的に間違ってることもわかってる。だってその仕事をこれからもやって行く人たちがいる訳だしその人たちを勘定に入れてないから。でも構わない。倫理的に間違っていようが道義的に許されなかろうがこの仕事は彼らに任せて僕は下りる。それじゃね。