指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

iPod Shuffle その2

四次元 Four Dimensions

四次元 Four Dimensions

古いユーミンを聴く、と前に書いたけど結局その通りにはならず、今iPod ShuffleにはMr.Childrenの新譜が入っている。「四次元」。「ヨーイドン」のインストゥルメンタルバージョンを除いた4曲を繰り返し聴いている。ちなみに古いサザンはいったん削除した。

ミスチルは結構前から気に入って聴いている。キイをいくつか落としてカラオケで歌い込んだ時期もある。「Innocent World」や「Tomorrow Never Knows」は、今でも本当にいい曲だと思うし、アルバムに収められた曲でシングルにならなかったものにもお気に入りがいくつもある。

でも「四次元」は個人的にあまりなじめない気がしている。この辺はもう、ほんとにぼんやりとしか言えない。それほど緻密に歌詞や曲の展開を検討した訳ではないからだ。

「未来」は、サビの部分とそれまでがうまくつながっていない気がする。うちではこういうのを「木に竹を接いだよう」と言っていて、ある女性シンガーの楽曲をその典型としている。いずれにせよ(「未来」にせよさる女性シンガーの楽曲にせよ)、サビがよくできているだけに残念だと思う。

「and I love you」は、CMで聴いていた頃の方が好感触だった。と言うのも、裏声で歌うかなり力のこもった「I love you」が「ただひとつ」の「答え」だとはっきり聴き取れなかったからだ。たとえば「答えなんか見つからないけど、とりあえずここから始めるしかないよね、I love you」というくらい力が抜けていたら、もう少し説得力があるのではないでしょうか。迷い続ける桜井君という像にも、その方がふさわしい気がする。

もちろん、これは個人的な意見なので自分でもどれほど的を射ているかわからない。作者が楽屋裏を公開し、それぞれの曲の狙いがもっと明確になったら、あっさり崩れるものかも知れない。迷い続ける人がとりあえず力ずくで迷いを押さえ込み、「I love you」と高らかに歌うからこそ美しいんだ、と言われると、まあ確かにそうかもな、と思いそうだし、迷い続ける人という像自体、そもそも桜井君への誤解から生まれたものに過ぎないのかも知れない。

ちなみに家人はこのシングルでミスチルに目覚めたそうだ。僕がどんなに勧めてもこれまでは聴かなかったのに。