指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

いい日だったような気がする。

 池袋のカフェヴェローチェでまた朝食を食べようと家人と出かけた。お店のモーニングセットにはAからCのセットがあってその他にもサンドウィッチとか選べる。僕はツナマヨプラスチーズのホットサンドとドリンクが選べるAセットを毎回頼んでて家人が「今日もA?」と言うのでメロディーには乗せずに朗読みたいな感じで「じれったいじれったいいくつに見えてもあたし誰でも」と返すとひとしきり笑った後で家人が「セットA?」と尋ねるので「いやまんま今日もA」と答える。・・・ええと僕は割にこういう感じで冗談を言います。教養がないとついて来られません。すいません。わ~た~し~きょうもええ~。
 朝食後はサンシャインシティーのグラニフに行ってTシャツを見る。パルコのグラニフいつなくなったんだ?それですごいかわいいのを見つけた。「11ぴきのねこ」の一作目で魚を捕まえるためにいかだで出かけた11ぴきのシーンがモチーフ。これっていちばん初めに出たデザイン(画像をご覧下さい。この猫たちの背景なしの画像がここで言ってるいちばん初めに出たシャツの柄です。)よりかわいくね?それで二枚買ったら十パーセント安くなるということなのでそうしようと思ったら僕のサイズのLが一枚しかない。お店のおねえさんにこのサイズもう一枚ありませんかと問い合わせるとパソコンで調べてくれてもう一枚在庫があるので見て参りますと言うので待ってたら結構時間がかかった。こちらはいくら時間がかかっても構わないけどお店の人はそういう訳にも行かないだろうなあとか思い始めた頃におねえさんが戻って来て見つからないと言う。それで一枚だけ買った。二枚お買い上げで十パーセント割引になりますけど一枚でよろしいですかとはそのおねえさんが言ってくれた言葉だったんだけどまさか同じのもう一枚ありませんかと尋ねられるとは思ってなかったんだろうな。悪いことをしたかも知れない。売る気満々のおねいさんだったし。
 帰宅後はシャワーと飲んで食べて昼寝。昼寝後焼酎が切れる日なので最寄りのまいばすに行こうとしたら家人も行くと言うのでふたりでてくてく歩く。それぞれの買い物をして帰るとバイトまであまり時間がなかったので仕度をして出勤。
 ビート板って皆さんご存じかも知れない。プルブイはどうかな。

 こんなので主に足に挟んで使う。今日おじいさんとふたりのお孫さんといった感じの三人連れがプールに来てておじいさんは立派な体格に水着はほぼブーメランパンツで相当腕に覚えのあるスイマーとお見受けした。お孫さんに熱心に水泳の指導をしている。そのうちビート板を足に挟ませての練習を始めた。ところがプールではビート板を足に挟むことは禁止されている。たぶん足から外れると浮力でビート板が跳ね上がるので危険と見なされてるんだと思う。それで用意されてるプルブイを持って彼らのそばに行き禁止の旨と足に挟むならこれにして欲しい旨を伝えてプルブイを渡した。おじいさんは禁止なの?と幾分不服そうだったけどルールはルールなので従ってもらうしかない。するとしばらくして同じおじいさんからありがとうございますと声をかけられた。これとてもいいですまっすぐ泳げてということでどうやら気に入ってもらえたらしかった。監視員やっててうれしいことというのはそんなにないけどこういう形でお客さんに喜んでもらえたらそれはうれしい。その後新人のバイトさんからさっきのは何を注意してたんですかと尋ねられた。だからビート板を足に挟むのは禁止だからプルブイに替えてもらってたと答えると腑に落ちたみたいにそうなんですかーと言う。こういう新人さんがいるというのもまたうれしいことのひとつだ。自分の納得の行かない行動を先輩がとってたらそれがどういう意味なのかをすぐさま問い合わせる。積極的でとてもいい。自分が無意識に近い形で行ってることを一から十まで対象化して意識に上らせ誰かに教えるというのはとても難しいので(これはほとんどどんな「教える」という行為にも共通した難しさだと思う。)そんな風に向こうから尋ねてもらえるとほんとに助かる。この子はいい監視員にひいてはいい社会人になれると思う。といういろいろをひっくるめていい日だったような気がする。
 今日のスイムは24分56秒で千と自分としては最低ラインと考えてる25分以内をかろうじて達成した。時間をかけてなだらかにでも縮めて行きたい。