- アーティスト: SMAP,宮藤官九郎,タカチャ,コモリタミノル
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/27
- メディア: CD
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それで新曲なんだけど、何度か聴いているとすごく寂しい気がしてくる。昨夜家族が寝静まった後酔っぱらってiPod Shuffleのイヤフォンを耳に突っ込んだままひとりで何度も聴き続けた、という状況のせいだったかも知れないけど、どうもそれだけではないような気がする。
歌詞のテーマはどういうことかと言うと、ユー、せっかくのバカンスなんだから馬鹿になっちゃいなよ*1、みたいな感じになる。それはそれで言い分としてはわかるし別に異論はないんだけど、木村君と前田さんが出てきたり稲垣という名字の半分はガキだと言い出したりするおちゃらけたくだりを別にすると、語り手は最初から最後までひとりぼっちのように感じられる。去年の夏はシャワーが壊れ一昨年の夏はバイクの免許とバイクを欲しいと思いながらうだうだ過ごしてしまった、そして今年の夏もそうなってしまいそうだ、いっそ馬鹿になってバカンスに出かけてしまいたい。それはわかる。でもたとえバカンスに出かけるとしても、ひとりで準備をしひとりで国際線に乗ってひとりでサングラスを髪にさしたりTシャツの裾を結んだりし、後悔と反省をおみやげにしてひとりで帰宅する像が浮かんでくる。唯一他人が出てきそうな恋については現地調達ということで済まされそれ以上つっこまれていない。
作詞は宮藤官九郎ということで実はこの人については顔くらいしかわからない。サプリの「Nature Made」のTVCMに昔出ていた。後は人気のシナリオ作家ということくらいしか知らない。「BANG! BANG! バカンス!」の歌詞がすべて狙いだったとしたら話は別だが、無意識の部分を多く含んでいると仮定するとこの人はすごくインドア派なのではないかという気がする。友だちと一緒に遊ぶよりもひとりで本を読んだり音楽を聴いたりすることの方が得意という人のように思われる。そして元気にバカンスへ出かけて行く友だちを横目に見ながら、自分はどうしてああいう風になれないんだろう、という「トニオ・クレーゲル」的「額に刻印のある芸術家」的苦悩を抱えているかも知れない。
というようなことを今朝家人に話したら、夜中の一時にイヤフォンで「BANG! BANG! バカンス!」を繰り返し聴いている四十男の方がよっぽど寒いよ、と言われた。話がすり替えられている気もするけど、こう言われるととりあえず言い返す言葉はない。
あ、「電車男」について書くのを忘れた。
*1:ジャニーさん。