指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

地獄の季節がやって来た。

 昨日も予告した通りアルチュール・ランボーとはまったく関係ありません。ついでに言うとジョン・ランボーともより一層関係ない。と思う。ジョン・ランボーの愛読書が「地獄の季節」ということが絶対にないとは言い切れないけど。
 僕らプール監視員にとっての地獄の季節とはゴールデンウィークから寒くなるまでのおよそどれくらい?温暖化を踏まえるとほとんど半年と言っていいのかな。くらいの間ということになる。要するに暑くなるとプールは混み合う。常連さんばかりなら皆さんルールをわきまえているので安心なんだけどたまにしか来ない―あるいは初めて来る―親子連れとか小中学生のグループなんかが殺到した日にゃルールは知らねえし子供は言うことなんか聞かねえしで結構容易に混沌が訪れる。具体的に数字を挙げると冬場なら一日の利用者数が百五十人を切る日もあるのに真夏になると去年の実績で言って九百人を越える日がある。およそ六倍の来場者数だ。一昨年はそこまで混まなかったんだけど去年はなんかもう新型コロナはなかったことにしようみたいな圧力もあったし矢吹丈のノーガード戦法みたいにノーガードで有象無象がプールに殺到したんだろう。言うまでもなく昨夏も新型コロナ・ウィルスはそこそこ猛威だったし家人も子供も僕も罹患したしすごく大変な目に遭った。そういうのを「ないことにする」ってすごく恐いことだと思う。多数決で病原がなくなるなら僕だって喜んで千票くらい入れるけどそれでその千票がなかったことにされたって病原がなくなる訳じゃない。そんなん当たり前じゃん。でもその当たり前のことを忘れちゃってる人が割に多い気がする。科学について言えば正しいことを教えてくれるのは科学の専門家だけであってマスコミとか同調圧力とかじゃないんだぜと思う。だから皆さんもっと慎重にね。と思う。なかったことにしてもあるものはあるのだ。
 追記。
 今日のスイムは24分42秒で千と25分を切っている。ペース的にはややきついながら体がそのペースを選ぶんならついて行くしかない。