指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

寒い朝。

今朝は家人や子供よりも早く目が覚めた。すぐに家人も起きて来てここしばらく休日になるといれてくれる熱いお茶を、たぶん早く起きたから時間に余裕があるということでだろう、いれてくれた。その間ベランダで煙草を一本すった。寒かった。居間に戻ってそのことを家人に伝えた途端、何だかじいさんとばあさんになった気がした。熱いお茶の入った湯飲みが二つと急須(とは言えそれはガラス製のそこそこ若向けのものなんだけど)、お茶うけのしば漬け。そして寒いねと言いながら腰を下ろす夫。
子育てが終わったらそんなあまり重みのない会話を交わしながら、香ばしいお茶をふたりですすることになるだろう。でもその前であっても、子供がちょっとの間よそにいてくれるだけで夫婦は夫婦に戻る気がする。それは悪くない時間の過ごし方だ。夫婦ふたりだけの時間。悪くない。