指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

蹴り。

ほんの先ほどのこと、子供の通う小学校の上級生が、クラスメイトと思われる女の子を路上で思い切り蹴飛ばしているのを見かけた。女の子は倒れた。
瞬間、自分の子供が蹴られている錯覚を覚えた。と言うか、自分の子供が蹴られているのと同じことだった。
思わず大きな声で叱っていた。余計なことかも知れないけど、そうせずにはいられなかった。大丈夫?と尋ねると、女の子は恥ずかしそうに笑いながら、大丈夫です、と小さく答えた。さいわい怪我をしている様子ではなかった。
その後歩きながらすごく腹が立って仕方なかった。何に対してかはわからないけど。