指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

その後の親子ポケモン。

ソウルシルバーをプレイ中の子供はプラチナとかから持って来たレベル100のギラティナアルセウスを使って、早々と最後の敵であるレッドを倒してしまっていた。レッドを倒すとソウルシルバーではグラードンを手に入れる条件が整う。だいぶ苦労したようだったが子供はひとりでグラードンをボールに収めることができた。同じようにレッドを倒すとハートゴールドではカイオーガが手に入るようになる。ふたりでグラードンカイオーガをそれぞれゲットすると、通信で二匹を一緒にすることによってレックウザを手に入れるためのアイテムがもらえる。つまり子供はいくら苦労してグラードンを手に入れても、僕がレッドに勝つことを通してカイオーガをつかまえない限り、レックウザには手が届かないことになる。でも僕がレッドに勝つにはまだまだ相当時間をかけて手持ちのポケモンを育てる必要があった。二〜三週間おとなしく待っていた子供がついに業を煮やし、とりあえず100レベのアルセウスを貸したいと提案して来たのが今日のことだ。それだけレベルの高いポケモンが加われば勝機もあるかも知れない。詳細は省くけどここは節を屈して子供の希望を最優先することでこの案を飲んだ(本当は誰の手も借りたくなかった。)。通信でアルセウスがやって来ただけでレッドには楽勝だったけど、それについてはまあいいや。その後はレベル60に満たないレアコイルを使いカイオーガをヘビーボール一個でしとめ、レックウザも同じくヘビーボール五個でつかまえる快進撃ぶりだった。ところがヘビーボールを持っていなかった子供はレックウザをつかまえるのにかなり手間取った。何回か長い戦いを重ねてその度に失敗してはリセットを繰り返し、ダークボールが有効なのではないかと気づき買いに行ったりした。それで数十分後にやっとつかまえることができたらしい。文字通りの狂喜乱舞だった。たとえゲームでも、そういう風に自分なりに努力して、失敗しては工夫して最後にそれだけの喜びを味わうという体験は、子供にとってすごくいいことなんじゃないかと思うんだけど。