指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

髪を切る、また本を読み始める。

禁煙10週目。恐ろしいことにここ最近無性に煙草が吸いたい。11日木曜までの四泊五日の出張の間は吸っても誰にも(家族にも会社の人にも)ばれないから、吸ってしまえるし逆にここで吸わなきゃまたひとつ何かを突破できると思っていた。結果吸わなかった。それで自信が深まったかと言うとそういうことは少しもなくて、弱い煙草にして吸ったらいいんじゃないかと姑息なことを思いついたり本当に気持ちに落ち着きが無い。我ながら情けない。気分が暗い。
禁煙して変わったことのひとつに読書があって、何にせよ読むのが面倒臭い。出張の間おそらく十時間くらいは新幹線も含めて移動時間があったと思うけど、一文字も読まなかった。うとうとしたり、ぼーっとしたりした。ノートパソコンで資料をつくったりもほんの少ししたけど。
今日は家人と子供が家人の実家に帰省してからひとりで過ごす初めての休日。意外に早く午前8時過ぎに目が覚めてしまう。間にコンビニへ朝食を買いに行ったりしながら洗濯機を二回回して洗濯して干しても10時にならない。することが無い。それで大嫌いな床屋へ行くことを決心する。帰省時期なので空いているのでは?と思ったけど同じことを考えてる人も多いようでいっぱい。諦めて帰って来て、さてすることがない。熟考の後、意を決して本を読み始める。何日ぶりだろう、本を読むなんて。
お昼まで読み、ビールを飲んでから昼食をとって昼寝。三時前に目が覚め再び果敢に床屋さんへ行くがまだ混んでいる。仕方なく帰宅して本の続きを読む。そのまま五時前まで読んで切りのいいところで本を閉じ、洗濯物を片づけてみたび床屋へ。それほど待たなくてよさそうだったので切ってもらう。僕は床屋が嫌いだ。本当に嫌いだ。待ち時間を入れても一時間半で終わったのは、僥倖と言っていい。
そのまま夕飯を食べに行き帰宅してからまた続きを読む。読める。また本を読むのか。禁煙を続けながら。