指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

好色必殺時代劇版ミュージカルURASUJI。

最後に芝居を見に行ったのがいつだったかも思い出せない。それくらい滅多に見に行かない。学生の頃に「第三舞台」の公演を三回見に行った憶えがある。あと誰かに誘われて「カクスコ」という劇団の公演を見に行った。シナリオのよく練り込まれたテンポのよいコメディーでおもしろかった。
一昨日これも人から誘われて下北沢の「ザ・スズナリ」で「好色必殺時代劇版ミュージカルURASUJI」を見た。出演者は杏子さん以外知らない。バービーボーイズと一緒に歌ってた人だよね。その他に何人か「カムカムミニキーナ」というおそらく劇団のメンバーが出演していて、「トリビアの泉」などに出演している八嶋智人さんもこの劇団に属してるらしいが「URASUJI」には出演していない。それくらいがわずかな前知識だった。
公演はまだ続いているのであまりネタバレなことは書きたくないが、印象に残ったことを思いつくままに書いてみると、まずとにかくおもしろかった。難しいことは一切なく、徒手空拳でも充分楽しめるようにつくってある。笑いもあるし歌もあるしダンスもかっこいい。ダンスでは特に「おゆき」役の池田有希子さんがすばらしく途中から彼女を中心に見た。小柄なんだけど体の動き、手の表情とかが何とも言えずなまめかしかった。こういう魅力にハマると自分などでもリピーターになってしまう可能性が充分にありそうに思えた。
それと順序が逆なんだけど狂言回しみたいな位置にいる「ガレージシャンソンショー」というふたりがすごい存在感だ。冒頭彼らのアコーディオンと語りで舞台が始まるんだけど「大正ロマン」とでも言えばいいのかレトロでキッチュな感じですべてが圧倒的な力でおおいつくされた。すげえ俳優さんがいるもんだなと思ってたら、後でふたりがミュージシャンであることがわかって尚のことびっくりした。
あと「必殺時代劇版」とあるようにTVドラマや映画になった「必殺」シリーズが下敷きにされているので、少しでも前知識を仕込んでおくとより楽しめると思う。もうひとり異様な存在感を放つ役名「くれない」のギャグが、会場内は大ウケなのによくわからないことがあった。これは多分彼女の出演する舞台をこれまでに何度か見ていればわかるのだという気がした。そういう意味では内輪ウケのように思えたが、リピーターにはそういう楽しみ方があっていいし特にいやな感じまで行かないほどに留められていたと思う。
舞台を見終えた後ちょっとした事件があったんだけど、Oさんもう大丈夫ですか?