指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

ちゃんと並べ。

近くの公園で子供向けに区が企画したイベントがあったので行ってみた。ひとつ子供がすごく好きそうなアトラクションがあり、ひとり3分間しか遊べないんだけど無料だったのでその順番待ちの列に並んだ。結局30分ほど並ぶことになった。
もちろんどの親御さんも子供さんを連れて並んでいるので結構にぎやかな列になる。兄弟でけんかして泣き出す子もいるし、じっと並んでいられなくてひとりでふらふら遠くの方まで歩いて行ってしまう子もいるし、うちの子供にしたところが途中で待ちくたびれて抱っこしてくれと言い出し、気をそらすのが大変だったりした。でも問題はそういうところにはない。そういうのは無邪気なものだしある意味で「想定内」なのだ。
列も進んでもう10分もすれば番が回って来る、というところで、何人か前に並んでいた女の子のところへどこかから2〜3人の女の子たちが駆け寄ってきた。学校の友だちか何からしい。二言三言交わして行ってしまったその女の子たちは、数分後それぞれの親に連れられて戻って来、そのままその場所で列に加わってしまった。並んでいた女の子とその親が代理で並んでいるのかとも思われたが、彼らの会話を聴いていた家人によると、どうもそうではなかった。たまたまひとり友だちが並んでいたのをいいことに、子供だけでなく親ぐるみで要するに横入りしたのだ。
家人が小さくでも聞こえるように抗議したのだが、子供は愚か親でさえ何処吹く風だ。
まだある。その女の子たち数人に番が回って来たときのことだ。彼女らの親の一人が係員と何やら話し合っている。このアトラクションは一回7〜8人で遊ぶのだが、今回は残りふたりだけ入れるところで順番が回って来てしまい、彼女ら全員が一度に入ることができないらしい。それなら今回は後の人に譲って、次回に女の子たちを遊ばせればいいことだ。でもそうではなく今回に無理矢理入れてもらえないかと頼んでいるのだ。押し問答の末結局親が折れて、つか安全性の面などから折れるしかないことは自明なのだけど、彼らより後の順番のふたりが入れてもらえることになりそのうちのひとりがうちの子供だった。もちろん親たちにそんな葛藤があったことなどまるで知らず、子供は大喜びで遊んだ。
親の顔が見たい、という言葉があるけれど今回見てみたいのは彼女らの親の親、つまり彼女らから見て祖父母の顔だ。人に迷惑をかけない、というのは親からの教えではなく個人が自分の力で獲得するべき倫理になってしまったのだろうか。って古風すぎますかね。