指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

久々のよしもとばななさん。

今日「王様のブランチ」でよしもとばななさんの姿を久々にを見た。見ながら家人と話したんだけど、家人はよしもとさんの文章を読むときに必ずご本人のイメージを思い浮かべるらしい。僕はまるでそういうことはなくて、たとえば「王国」シリーズの「雫石」にしてもこの前の「みずうみ」の女の子にしてもよしもとさん自身にまつわるイメージとはまるで切り離して読んでるところがある。ただ作品の中にこれはよしもとさんの地の考え方なのではないかと思える部分があって、そういうときには作者としてのよしもとさんを思い浮かべることはある。でもその作者としてのよしもとさんは、家人が思い浮かべる像としてのよしもとさんとは別物だという気がする。
実はよしもとさんと家人はどこか似ているところがあると思っていて、家人にも面と向かってそう言ったことがある。家人がよしもとさんを読むようになったきっかけは、おそらくそれだったと言っていい。どこがどう似ているか正確に言うのは難しいけど、一言でぼんやり言うならそれは文体だ。結婚する前に長くメールをやりとりするだけの時期があったんだけど、彼女からのメールを読みながらよしもとさんの文章を思い浮かべることが結構あったのだ。
よしもとさんと家人は、見かけは別に似ていない。何かを読むときにそれを書いた人の像を思い浮かべる癖を僕が持っていたら、もしかしたら僕はよしもとさんと家人を似ているとは思わなかったかも知れない。