指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

名古屋駅周辺の喫煙禁止について。

やり過ぎだと思う。どこかに喫煙所というのが設けられているのだろうか。確かに新幹線のホームにはあるがそれ以外で見かけたことがない。駅構内では喫茶店でさえ禁煙だ。安易な正義をあまり大上段に振りかざすとそれはヒステリックにしか見えない。
喫煙が他の人の迷惑になる場合があるのはわかる。でもそんなことを言い始めたら大抵の人は誰かから迷惑をかけられまた誰かに迷惑をかけながら生きているのだ。道の歩き方、ドアの開き方、座席への座り方、列の並び方、エレベーターやエスカレーターの使い方、ゴミの出し方、トイレの使い方、ケータイの使い方、およそ公共性のある場所での振る舞いには必ずマナーがあり、そして必ずマナーを守らない人がいる。また自分ではマナーを守っているつもりでも誰かに迷惑をかけてしまうということはあり得る。でもそのくらいのことなら自己裁量で許容し合いながら生きているというのが大衆というあり方だと思う。自己裁量なのでたまにどうしても口出しせずにはいられない人がいて口論になったり逆ギレされて怪我を負わされたりしているとしても。歩き煙草は論外としても(それだってまるで往来のないところで、しかも吸い殻を捨てない配慮をしていれば誰にも迷惑はかからないじゃないか。)、定められた喫煙所で自分のお金で買った煙草を自分の体にだけ負担をかけながら吸うことすらなぜ許されないのだろうか。煙草が苦手な人はそこに近づかなければいいのだし、そこに近づかなくてもどこにでも行けるようなはずれた場所に喫煙所を設ければいいだけの話ではないのか。
という訳で僕は名古屋駅が嫌いだ。煙草を吸えないということだけじゃなく、自分たちは完全に正しいという人たちの自己解体力の無さがあたり一面に立ちこめている気がしてひどく気分を暗くさせられるからだ。