- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1997/10
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
この本は文芸時評として連載されたものを集めていておそらく連載時の通しタイトルは「退屈な読書」だった。高橋さんには「退屈な読書」という著書もあるがたぶん同じ連載の別の部分を収めた本ということになると思う。一編一編は大体三ページ弱で書かれている。短いと言えば短い。食い足りないところもあるけどテンポはよい。
最近、続けて、「笙野頼子の小説はどう読んだらいいのかわかんないよ」と相談を受けたっけ。
とか言われると、そうそうこの前三冠小説集読んだら三つとも以前読んだことがあったことに気づいたまではよかったけど、昔も今もよくわかんないんだよね、高橋さんはどう読んでるのかな、と一気に興味を引かれる。他にも「マディソン郡の橋」とか「パラサイト・イヴ」とかシェルダンの「天使の自立」とか、ちょっと前に流行った作品が旺盛に取り上げられている。カルヴィーノもジョン・バースもオンダーチェの「ビリー・ザ・キッド全仕事」も出てくる。幸田文に漱石に武者小路実篤だっている。おもしろそうでしょ?おもしろいんだよ。おすすめ。