指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

静かな朝。

ついさっきまで細かい雨が降っていた。今はやんでいるが久しぶりの曇り空だ。ベランダに出ると目の前に見える会社が盆休みのようでひとけがない。近くにあるいくつかの工事現場にも作業員の姿はない。それでとても静かな朝になった。すごく静かだ。と言うか普段どれだけやかましいところに住んでいるかが思い知らされる。
でも今朝食を誂えようと最寄りのコンビニまで行ったら、サンドウィッチはひとつもなく、おにぎりだって十個くらいしかなかった。朝の補充の直前なんだろうけど、どんなに静かでも普段通り活動している人がたくさんいてコンビニで朝食を買って行くのだ。部屋からは街自体が眠っているように感じられるけど。
今年から五日間の夏休みと引き替えに会社の盆の休みがなくなった。有休だってまるで消化できていないところにさらに五日休みもらったってうれしくもなんともねーよ、どーせ休めないんだからという気が一方でするが、予算消化のためには会社は休まない方がいい。痛し痒しという訳だ。
でもこの時期の東京は割と好きだ。電車も空いているし比較的静かで自分は働いているけど気分は夏休みだ。ただ馴染みの店がどこも閉まっていて食事の調達は大変なんだけどね、独り身では。