指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

いろいろあって。

ディスコ探偵水曜日〈下〉

ディスコ探偵水曜日〈下〉

先週は両親と一緒に温泉に行ったがほとんど雨で観光もせず、あてがわれた結構広い一室で家人とビールを飲んだりしていた。子供は主に両親の部屋で遊んでもらっていて、ほとんど夜寝に帰って来るだけだった。それでも僕の両親と一緒なので家人は緊張が解けなかったらしく、帰って来てから家人の両親が僕に会いたいと言っていた話などをした。自分は同行しているのにあなたはそれをしないで不公平だという論旨に受け取られた。そう言われればまあその通りなんだけど、あちらでは自分は邪魔なんじゃないかという思いが抜きがたくある。
週明けから仕事が忙しくいろいろ予期しなかった事件も出来してなかなか本の続きが読めなかった。でも今日になってやっと「ディスコ探偵水曜日」の下巻を読み終えた。マッカーシーの「ザ・ロード」が無ければ、現時点でこれが今年読んだ一番の小説ということになったかも知れない。思いがけず深く感動した。
舞城さんの文体に長く親しんでいると、他の結構な量の文体がとても古くさく感じられる。これは自分の文体も含めてのことで本当に困ったものだ。何かとても勢いのある文体でないと、今の症状を緩和できない気もする。という訳で明日から町田さんの「宿屋めぐり」を読み始める。
清涼院流水という人の作品は読んだことがないんだけど、舞城さんがあれだけトリビュートするのだからきっとおもしろいに違いないと思われる。もっとも、舞城さんは影響を受けた先行者にちょっと無防備なほど律儀なのかも知れない。それはおそらく村上春樹さんに対しても同じじゃないかという気がする。いや、だからどうだってことじゃないんですけど。