指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

エコ?

自動車産業の不調が伝えられ続けている。それを聞いているとこの国の産業のかなり大きな部分が自動車によって担われているような気がして来る。でもエコという観点から言えば、自家用車を買わない、乗らないというのはハイブリッドカーを買ったりそれに乗ったりすることよりはるかにその目的に適うに違いない。でもそう言い切ってしまうと、その言い方にかすかに皮肉な響きがこもっていることに気づかされる。そしてその皮肉な響きの分だけ、この言い方にはどこか転倒や倒錯が含まれているのではないかという疑いがきざす。
子供が小学校でエコに関する授業を受けている。それで子供はそれに関心を持ち始めたのだが、二酸化炭素を排出するものならどんなものでも悪だと考えている節がある。その考えを極度に推し進めると呼吸で二酸化炭素を排出するあらゆる生き物が悪だという発想になる。実際子供の極端化は、それを目指して行っているように思われることがあり、こちらはその誤りを随分時間をかけて訂正しなければならない。
僕が不勉強なだけかも知れないが、以上二点から考えると、エコロジーというのはまだ信頼するに値するほど熟した概念ではないのではないかというのがここで言いたいことだ。