指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

1,280円。

美しい女 (新潮文庫 草 51C)

美しい女 (新潮文庫 草 51C)

またしても書影が無いが仕方ない。今週丸善の丸の内本店に行ったら、「ふるほん文庫やさん」のフェアが催されていた。本当はゆっくり見たかったのだけど時間が無かった。それで目にとまった椎名麟三さんの「美しい女」の新潮文庫版を手にとって値段を見たら1,280円とあった。同じ本、三冊持ってるんですけど。でもこれは売り値であって買い値はもっと安くなるんだろう。別に本で一儲けしようとも考えていないが。
なぜ同じ本を三冊も持っているかというと買ったの忘れててダブった訳ではなく、学生の頃回りがみんな深く悩んでいたからだ。この作品は進退窮まったときに自分を緩めるのにとても適していて、精神的に困り果てた友人にあげようと思って古本屋でまとめて買っておいた。買うときに、これみんな同じ本ですけどいいんですか、とレジの人に確認されたのを憶えている。二冊を実際に友人にあげた。ひとりは結構助かったと言ってくれた。今でこそこういうことをするのに極度に慎重になっているが、若い頃は平気で善意の押しつけをやって泰然としていた訳だ。