指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

つばめグリル。

少し前に仕事で横浜に行く機会があった。その折確かルミネの中にあったんだと思うけどつばめグリルでハンバーグを上司におごってもらった。随分前に書いたけど僕は独身で外食が主だった頃にも、どこかへおいしいものを食べに行くより自分の狭い生活圏の中にある行きつけの店に行くことの気楽さを頑強なまでに選び続けた。だから名店なんてほとんど知らない。つばめグリルだって知らなかった。つかつばめグリルが名店かどうかも知らない。でも食べてみたらすごくおいしかったので、これは家族を連れて食べに行きたいなと思った。子供がハンバーグもジャガイモも大好きだからだ。
ウェブで最寄りの店を調べて今日行った。子供はお店の話を聞いたときからずっと楽しみにしていて、実際に食べてみてひどく気に入ったようだった。そういうのってすごくうれしい。そして何て言うか切ない。その切なさはうまく言い表すことが難しい。
それで思い出したんだけど僕が子供と同じ年の頃、両親は何かと言うと焼き肉を食べに連れて行ってくれた。地方都市の小さな焼き肉屋ですごくおいしかった憶えも無いけどそれが彼らにとっての一番のご馳走で、喜ぶ子供を見て両親もうれしかったに違いない。同時に前述の切なさも感じていたかどうか尋ねてみたいけどきっと憶えていないだろう。いや憶えているかな。