指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

気楽に参りましょう。

長い終わりが始まる 山崎ナオコーラ著 「長い終わりが始まる」
この作品を読むと、学生の頃のすごくひりひりする心の状態を思い出す。なんかいつでも痛みを抱えていたなあ、という感じ。感受性も今より豊かだったのかも知れないけど、自意識も過剰だし経験値も低くて本当にいつもひとりぼっちだった。誰かと一緒にいてもひとりぼっちで寂しかった。今なら誰でも一定量しか他人を理解することができず、たとえ理解できなくても理解しようという意志が持ち続けられればそれで充分すぎるほど幸せだと思うけど、その一定量を超えて理解してもらいたがっていた。そんな事態はあり得ないのに。無垢であることは鼻持ちならない。そんなことの全部が書いてあると思う。