本
ゴジラ大鑑 東宝特撮作品全史 講談社 Amazon 判型もでかけりゃページ数も三百ページのボリュームで図版超多数。つか図版のないページはもしかしたら一ページもないかも知れない。東宝のゴジラものは一作あたり大体八ページかけて紹介されている。紹介される…
あおむけで走る馬 (中公文庫) 作者:新井千裕 中央公論新社 Amazon この作品の中では誰もが自分なりの問題を抱えながらそこから目をそらさずにひたすら懸命に生きている。彼らのそのひたむきさが作品全体にどことなく漂う哀しみの正体のように思われる。僕は…
散歩とカツ丼 '10年版ベスト・エッセイ集 (文春文庫 編 11-28) 作者:日本エッセイスト・クラブ 文藝春秋 Amazon 最寄りの図書館に届いた旨知らせが来たときなんでこの本を借りることにしたのかわからなかった。酔っ払ってアマゾンで買い物すると余計なものま…
小泉今日子書評集 作者:小泉 今日子 中央公論新社 Amazon なんでこの本を読もうと思ったかと言うと恐いもの見たさというのに近い。恐いもの見たさというのは文章を書くということではおそらくほとんど評価されてない一芸能人の書評なんてもしかしたら読めた…
アウター・ダーク―外の闇 作者:コーマック・マッカーシー 春風社 Amazon コーマック・マッカーシーの長編第二作。原書の出版は1968年というから半世紀以上前のことになる。マッカーシーの後年の作品に親しみ尚かつ一作目の「果樹園の守り手」を読んだことが…
この前の三連休全日ラストまでバイトしたのは新しいシフト係のトメさんに頼まれたからだった。三日合わせて二十七時間半働いたので収入的にはかなりゲインした実感がある。ただし三日目の朝勤務開始前に例によって泳ぎに行ったら二の腕と太ももに筋肉痛があ…
成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon ドジャースはワールドチャンピオンになった。大谷選手をここ半年ほどそれほど熱心にではないにせよなんとなく応援してたのでよかったと思う。今日はバイトで中継が観られなかった。それ…
どくとるマンボウ青春記(新潮文庫) 作者:北杜夫 新潮社 Amazon 自分の考え方や世界観(ものの見方)に影響を与えた本というのはこれはどなたにでも結構あるのではないかと想像する。僕もすぐに何冊か思い浮かべることができる。でもうまく言えないけど自分…
餓鬼道巡行 (幻冬舎文庫) 作者:町田 康 幻冬舎 Amazon うーんとどうなのかな。これはなくてもいいんじゃないかな。なくてもいいというのは町田さんのファンでなければ読む人もすごく少ないと思うんだけどファンであっても読まなくてもいいんじゃないかな。つ…
生の肯定 作者:町田 康 毎日新聞出版 Amazon 町田康さんのロードノヴェル。例によってかなりの振り切り方なので着いて行けない読者は着いて行けないと思う。かく言う自分もあまり偉そうなことは言えない。ただもしかしたらそういうことなのかも知れないと気…
男の愛 たびだちの詩 作者:町田 康 左右社 Amazon 清水の次郎長が主人公。生まれた直後に里子に出され養父母に育てられるも養母からはあまりよく思われてない。そのせいかどうか子供の頃から暴れ者で私塾や寺に預けられても毎度送り返される始末。家は立派な…
記憶の盆をどり (講談社文庫 ま 46-19) 作者:町田 康 講談社 Amazon 個人的にはよく知ってる海外の小説が日本の江戸時代を舞台にしたパロディーになってたりショートショートみたいな作品があったりととてもバラエティーに富んだ短編集。町田さんのファンな…
宇治拾遺物語 古典新訳コレクション (河出文庫) 河出書房新社 Amazon 受験生のときに古文の問題を解いていて説話集というのは今読んでもおもしろいんじゃないかと感じたのはたぶん僕だけではないと思う。「今昔物語集」や「十訓抄」や「古今著聞集」にこの「…
吉本隆明という「共同幻想」 (ちくま文庫) 作者:呉智英 筑摩書房 Amazon 呉智英さんのお名前を僕はずっとゴチエーさんだと思ってた。なんか漫画の評論かなんかなさってる方だという頭だけあってたぶん一度も読んだことがなかったんじゃないかと思う。ほんと…
城崎にて 四篇 作者:森見登美彦,円居挽,あをにまる,草香去来 志学社 Amazon 不思議なタイトルだ。「城崎にて 他四篇」ならわかる。でも「城崎にて 四篇」だと「城崎にて」という同じタイトルの作品が四篇収められてることになる。でも実際にこの本には四人の…
湖畔の愛 (新潮文庫) 作者:町田 康 新潮社 Amazon 短編集で三作が収録されている。いずれも九界湖という湖の畔に建つホテルが舞台で登場人物も何人か共通してる。そういう意味では連作と言って間違いないような気がする。読めばそれなりにおもしろいし展開の…
夢と金 (幻冬舎単行本) 作者:西野亮廣 幻冬舎 Amazon 正直作者に対してはいいイメージがない。それほど詳しく知ってる訳でもないんだけどいつの頃からかなんて言うかかなり不遜な人という印象を持っている。ご自慢らしい絵本も読んでなければアニメも観てな…
口訳 古事記 作者:町田康 講談社 Amazon 昨日のバイトでちょっと疲れたので久々にまったく用事のない今日はただのお休みの日にしようと思ってそうした。朝食をとってから塾へ本を読みに行きお昼前にやって来た家人と一緒にいつものスーパーへ買い物に行く。…
スピンクの笑顔 スピンク日記 (講談社文庫) 作者:町田康 講談社 Amazon うちは東京電力の引き落としが毎月十五日頃になってる。「頃」というのは十五日に決まってる訳ではないからだ。十四日のこともあれば十六日のこともある。ただし公共料金の引き落としと…
東山道エンジェル紀行 作者:町田 康,寺門 孝之 左右社 Amazon 町田康さんが好んで書かれるジャンルにはロードノヴェルがある。と言い切ってしまっていいんじゃないかと思うほどその数は多いような気がする。「宿屋めぐり」がそうだしこの前の「ホサナ」も明…
しらふで生きる 大酒飲みの決断 (幻冬舎文庫) 作者:町田康 幻冬舎 Amazon 町田さんが禁酒してることは知ってたしこういう本を出されていたことも知ってた。でも読んでみようとは思わなかった。禁煙は十年ちょっと前にして以来まったく吸ってない。でも禁酒は…
私の文学史: なぜ俺はこんな人間になったのか? (NHK出版新書 681) 作者:町田 康 NHK出版 Amazon この本の中で町田さんが本音の言葉と建前の言葉という言い方をしてるものが僕には自分の言葉と東京の言葉と置き換えられる気がした。町田さんもうすうすそう思…
猫のエルは (講談社文庫 ま 46-18) 作者:町田 康 講談社 Amazon 町田康さんの作品で未読のものをまとめて読んでおきたいとある日突然思い立った。それで図書館にリクエストを出したら七冊としばらく前に予約を入れてやっと番が回ってきた別の一冊の計八冊が…
Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫) 作者:レイモンド カーヴァー 中央公論新社 Amazon レイモンド・カーヴァーの作品は長い間近寄りがたいものに見えていた。初めて彼の作品を手にしたのはおそらく荻窪のタウンセブンかルミネに入って…
成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon 国語の高校入試問題や模試の問題を解いてるとこういう小説ってどんな人が書いててどんな人が読んでるんだろうと思わされる作品というのが結構ある。作者名を見ると知ってる場合もあれ…
入門 山頭火 作者:町田康 春陽堂書店 Amazon 物語を味方につけると世界像の理解がすごくうまく行くようになるんじゃないかと日頃から個人的には考えている。世界像と言ったのは苦し紛れで要するに我々を取り囲むこの世界のすべてのことを指している。自然で…
くるぶし 作者:町田康 COTOGOTOBOOKS Amazon もう正直に自白すると現代短歌がわからない。現代詩も俳句も同様かも知れない。イメージとしては海に立つ波涛の小さな先端だけを切り取ってそれを並べることによって海全体を表現するみたいなことが行われてるん…
DJヒロヒト 作者:高橋 源一郎 新潮社 Amazon 様々な人が出て来る。文学者。兵士としての文学者。兵士。戦争の片棒を担がされそうな研究者たち。その研究所で育てられている現地人とニッポン人の混血の男の子。南方に送られ戦後帰国する元慰安婦。反逆罪で捕…
ギケイキ3: 不滅の滅び 作者:町田 康 河出書房新社 Amazon 今このブログを検索すると「ギケイキ」の一作目を読み終えたのが2016年ということになってる。もうちょっとで十年経ってしまう。「ギケイキ2」については記述がないみたいだ。でも義経が静御前と別…
昏色の都 作者:諏訪哲史 国書刊行会 Amazon 作者は何かをとことんまで突き詰めずにはいられないひと言で言うなら凝り性な人なんだろうなという気がする。思い起こせば「アサッテの人」の語り手のおじさんの造形からしてそうだった。本書でもその凝り具合はい…