指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

喘息の発作が起こるとき。

前々から家人と話し合っていたことだが、僕が出張に出る前後に子供の喘息の発作が起きることが多い。特に泊まりの場合はほぼ間違いなく発作が起きる。これは発作の原因に精神的なものがあずかっていることを証しているように思われてならない。調べてみたわけではないので学術的なことはわからないが、実感ではこれはかなりはっきりしている。
今日は新潟まで日帰りの出張だった。両親の会話から僕が近々出張に行くことを勘づいた子供は、何日か前から今日の予定は?と朝幼稚園に行くときに尋ねるようになった。今日は一日会社にいるとか、今日は新宿と渋谷に行くけどすぐに帰って来るとか答えるとそれで満足する。でも昨日の夜出張の準備を始めたあたりから雲行きが怪しくなり、深夜になって熱を出した。朝には下がり多少咳をしているけれども深刻な発作とも思えなかったので早朝出張に出かけた。出かける前に、新潟へは行くけれども今日中に帰って来ると何度も話して子供を納得させた。子供は幼稚園に行った。
幼稚園から帰って来るとまた熱が出たそうだ。それほどひどくはないものの咳もしている。明らかに軽度の発作のように思われる。僕が帰宅すると赤い頬をしてとても眠そうだったので、夕飯も食べさせずにさっき寝かせたところだ。幸い咳き込んだりはしていない。
卵が先か鶏が先かわからないが子供には父親が不在であることと喘息の発作の記憶とが分かちがたく結びついて刷り込まれてしまったのかも知れない。そういうのは一面父親冥利に尽きるのかも知れないが、ことが病気だけに何とかその因果を断ち切れないものかと考えている。