指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

借入金の元金を返すと、PLのどこに表れるか。

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

よせやぃ。

よせやぃ。

政治や経済に対して興味もないし本当に無知だ。新刊「よせやぃ。」の中で吉本さんが以下のようなことをおっしゃっている。小泉内閣郵政民営化は要するに政府を小さくする意図に沿って目指されたものでその限りではまったく正当なものだ。これに対して民主党社民党も反対の立場を取ったが、自民党の主張だから反対するというだけのことで政策としての意図を見抜く見識がなかった。
これを読んで本当にたまげた。土台郵政民営化が何を意味するかなど、知ろうとしたこともなければ考えたこともなかったからだ。(先に政治については触れないと書いたが、これは自分の無知を証す好例だと思えたのでお前そんなことも知らなかったのかという風に受け取っていただけるとありがたい。)もちろん吉本さんの見解ばかりでなく他にもいろいろな見方があると思うが少なくともこれほどはっきりとわかりやすくまとめられたものに触れたことがなかった、そうした吉本さんの言葉の力にも確かに大きな衝撃を与えられてはいる。でも何かを知った喜びよりも自分は本当に何も知らないのだという忸怩たる思いの方が圧倒的に強かった。
それと前後して読み始めたのが会計に関するこの本だ。二十万部を突破しているという売り上げの良さと、ここのところ新しい社長から会計のことを勉強するようにと何度か言われていたことがきっかけになった。社長は元教師という経歴を持っていて発言が主に上から目線なので、密かに勉強しておいてあわよくば言い返してやりたいくらいの意地みたいな思いもあった。
結果的にどれほど財務3表がわかったか自分では判断できないが、少なくとも薄ぼんやりと自分なりのイメージはつかむことができた。「借入金の元金を返すと、PLのどこに表れるか。」という問いは本書中のものだが実は引っかけで、PL(損益計算書)は会社がどう営業利益を出したか、あるいは出さなかったかを表すので借入金の元金を返済してもPLには記載箇所がない(と思う)。つまりどこにも表れないというのが正解(だと思う)。という程度のことがわかるようにはなった(と思う)。
でももしかしたらこんなのは単なる常識に過ぎなくてその方面に疎い自分がにわか仕込みの知識をひけらかしている笑止の光景にしか見えないかも知れない。無知の知は大切かも知れないがその中にいる当事者は結構ヘコまされる。