指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ポケモンのスペシャル番組で。

親ひとり子供ふたりという三人組同士でのポケモンに関するクイズトーナメントを放映していた。子供が見ていたので僕も見るとはなしに見ていた。決勝で破れた組の子供ふたりのうちおそらく下の子と思われる男の子が、体育座りの膝に顔をうずめながらそれでもけなげに拍手をして勝者を讃えていた。その背を親御さんがなでていた。音は聞こえなかったけど、何か言葉もかけていたに違いない。
悔しさに泣きながらも勝者を拍手で讃える。その姿に僕は賛嘆を惜しまない。うちの子もそんな風になって欲しいと思う。きっと思わず抱きしめながら、彼の心の美しさに少しでも報いようとするだろう。誰が何と言おうとそうしてやらなければならないのだ。