指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

「ヘヴン」と呼応?

夏の入り口、模様の出口
ええと、週刊新潮掲載時の通しタイトルが「オモロマンティック・ボム」ということで、初出時はやはり単行本にまとめられたのとは異なった趣の誌面に違いなかったと思われます。ってなんで丁寧語やねん。だいたい普段から雑誌は一切読まないのでこれはもう一冊のエッセイ集として読むしかないんだけど、初出時の緊張感とか困った感とかをリアルに保存しつつ、行き当たりばったりなところもありつつ、でも驚くほど的確に選ばれた言葉でつづられた作品でした。安易に「解体」とか言っちゃいますけど、その「解体」度は「ヘヴン」と軌を一にしているような気がしてならない。作者は「ヘヴン」の執筆の苦労を一再ならず告白してますけど、それはエッセイにも影響するような体験だったのかな、と、つまらぬ想像をたくましゅうする梅雨の晴れ間。折々差し挟まれる「なむなむ」の出典は森見先生でしょうか、やっぱし。