指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

リチャード・パワーズ。

舞踏会へ向かう三人の農夫

舞踏会へ向かう三人の農夫

今度予定されている小さなイベントの下見に、青山ブックセンター青山本店に行った。リファレンスで名前を言い、担当者がやって来るまで待った。その間に店の柱に貼られたいくつかのポスターを眺める内、リチャード・パワーズがやって来て柴田元幸さんとイベントをやる企画のものが目にとまった。でもそのポスターには「満員御礼」と書かれたシールが貼り付けられていて、どうやらチケットは完売のようだった。シールをよけながらポスターを読むと、イベントの開催が今夜だということがわかった。今夜ここにパワーズが来るのだ。
僕がもしもまだ独身だったら担当者に無理を言って会場の末席を確保してもらっただろう。柴田さんは割と積極的に公衆の前に立たれる方なのでこれからも拝見する機会はありそうだが、リチャード・パワーズとなると話は別だ。すごく示唆的な話が聞けるかも知れないし、聞けなくてもパワーズを目の前にする体験は何事かであり得る。
でも結局そのまま打ち合わせをして帰って来た。パワーズが話し柴田さんが訳したその同じ場所で、僕らも今度ささやかなイベントを持つ。今はそれだけで充分な気がする。