指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

また新井さんの作品が読めてよかった。

プール葬 (novella*1200) あおむけで走る馬 (中公文庫)
このブログを最近「新井千裕」のキーワードで検索して訪れて下さった方がいた。それがきっかけで調べたら昨年の12月の同じ日に単行本と文庫の二冊が中公から出ていたことがわかった。それで次の休日だった先週の日曜に池袋に買いに行った。リブロで検索をかけるとヒットしたので指定された棚に行くと単行本「プール葬」は平積みになっていた。でも文庫の方は「在庫あり」になっていたのに指定された棚には見当たらなかった。とりあえず前者だけ購入してジュンク堂に行くと後者が三冊だけ置いてあったので買った。ただしこちらの方は「逆さ馬のメリーゴーラウンド」という既刊の文庫化だと買ってからわかった。別に構わない。新井千裕さんの本なんだから。今は本を読む時間を見つけるのが本当に大変なんだけどわずか120ページなのに二段組みというちょっと変わったそれを何日かかけて読み終えた。また新井さんの本が読めて本当によかったと思った。この哀しみの淡さはこの作者独特のものだと思う。
新井さんの作品では「ソーダ水の殺人者」というのがいちばんよくできているんじゃないかと思っている。実はその本は家人に僕が勧めて家人が実際に読んでくれた唯一の作品だ。あれは傑作だと家人も言うけどじゃあ新井さんの他の作品にも手を伸ばしたかと言うとそんなことはなくて今回買った本にもまるで関心が無い。まあでもそれはお互い様なので仕方ない。