指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

今日のバイト。

 マンションの後プールのバイトも入ってるので下着の代わりに水着を着てプールのユニフォームの下にホイッスルをしのばせて出かける。ホイッスルはプール監視員のマストアイテムだ。マンションに着くとこの前の指導員のじいさんと代行員のおばさんがすでに来てる。十分前には着くようにしてるんだけどもうちょっと早めに行った方がいいのかも知れない。あるいはただ単に彼らがせっかちなだけなのかも知れない。マンション用のユニフォームに着替えておばさんと一緒にごみ出し。今日は燃えるごみの日じゃなくて楽だった。ただしごみ置き場はかなり乱雑に散らかってるのでごみを再配置したり段ボールをひもでくくったりしてできる限り整頓する。ここがある程度整頓されてないと住人のごみの出し方も荒れると金曜日に来てた代行員のじいさんが言ってた。僕は彼のことをとても信頼してるので言われた通りにする。おばさんがモップを濡らして床を拭くと言うので引き受ける。この前のじいさんは壁も拭いた方がいいと言ってたけどおばさんはそうする気配がないので黙って従う。どうせ金曜日からはひとりでやる仕事だ。そのときになったらじいさんのやり方に従えばいい。そうこうしてるうち指導員がごみ置き場までやって来て書類のことを教えるから管理人室に来るようにと言う。この前も書いた通りほんとは代行員について仕事を習った方がいいと思うんだけど逆らうのもどうかと思ってついて行く。ところがこの人は何かを秩序立てて説明するということができないことがわかった。何か思いつくと話の途中で急に話題が変わる。暗闇の中小さな円形に切り取られたスポットライトか何かで対象物を照らすみたいに部分部分は見えるんだけど全体像がいっかなはっきりしてこない。途中からは引きの姿勢でただ形だけ話を合わせてるみたいな格好になった。相手にしてみりゃのれんに腕押しみたいな印象になったかも知れないけど他にどうしようもない。おまけにこの人は一般論には通じていてもこの現場特有の決まりとかについてはあまり詳しくないみたいでしょっちゅう会社に電話をかけては担当者に問い合わせてる。しかもそのたんびに世間話みたいなのを差し挟むので時間ばっかりかかって説明は一向に進まない。この会社は大きなところの子会社でいろいろちゃんとしたところがあるなと密かに感心してた。でもこういう人物にものを教えさせてる見識のなさには若干唖然とさせられた。幸いなことに明日明後日は別の現場に行くのでこっちには来ないということでできるだけ代行員について仕事を教えてもらおうと思ってる。終業が近づくと担当の社員が今日もやって来たけど挨拶もそこそこに着替えてマンションを後にする。朝いちで塾にプールの仕度一式を置いてから出かけて来たのでそれを取りに行きタッチアンドゴーで再び出かける。今日は受付業務ということで楽だった。ただ朝が早かったからか眠くなるのには閉口した。明日は朝マンションでプールは夜のみ。家人と久しぶりに買い物に行けそうだ。ただマンションから出すごみの量は火曜日がいちばん多いらしいので気が抜けない思いでいる。