- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2007/09/29
- メディア: 単行本
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- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/09/25
- メディア: 単行本
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内田さんの本を読むのはこれが初めてなんだけど、文体と息が合わずなじむのにちょっと時間がかかった。軽く流して書いてあるように思える部分は高橋源一郎さんの書評に似てくる。でもそれだけではなくもちろん内田さん独自の呼吸があって、それに慣れるのに一定量の努力が必要だった訳だ。村上春樹さんの作品が評論家などから無視される度合いが高いかどうかは僕には判断しかねる問題だが、村上さんが現れたときにそれをきちんと評すべき言葉がなかったというのはいかにもありそうなことに思われた。僕だって長い間どこがいいとはっきり言えないままに村上さんの作品を愛好してきたからだ。それは内田さんのおっしゃるように倍音の比喩で語っていい問題かも知れないという気がした。それと文化的雪かきとホールデン君のキャッチャー理論が近いことも指摘されてみるとなるほどなあと思わされる。その二点が大きな収穫だった。
「有頂天家族」はなかなか入って行けず読み終えるのに大変な時間がかかってしまった。最後まで読み通しても僕の好きな森見さんの展開は見られなかった。何となく書きづらそうにお書きになっている気がした。そういう意味では新境地と言っていいのかも知れない。続きがあるそうなので、物語と文体の間の隙間をもう少し埋められることを期待している。まあ勝手な言い分だけどね。
WiFiが安定しない。お金も結構かかるみたいだ。次の更新が帰国後になったらすいません。