指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ブレックファースト・アット・ティファニーズ。

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を

幸いなことにオードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」は見たことがなかった。だからホリー・ゴライトリーのイメージからヘプバーンの影を追い払い追い払いしながら読む必要がなく、そうして読んでみるともちろんホリーとヘプバーンの違いに愕然とすることになった。前にも書いたけど原作付きの映画化の場合、原作と映画はまるで別物として扱った方がいいと個人的には思っている。でも映画の方もすでに準古典みたいな位置づけになっておりホリーと名乗るヘプバーンの姿がある程度の市民権を得ている現状では、映画の浸食を避けきりながら原作を読むことはすごく難しいことのように思われる。村上春樹さんの翻訳をもってしてもそれは変わらない気がする。
カポーティーは「冷血」のみ読んでいた。機会があったら他の作品も読んでみたい。そう思わされた。
ところでタイトルなんだけど、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、「グレート・ギャツビー」、「ロング・グッドバイ」と来たので当然「ブレックファースト・アット・ティファニーズ」とされると思っていた。今でもその方がよかったんじゃないかとちょっと思う。