- 作者: 木村俊介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/03/10
- メディア: 文庫
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これって「奇抜の人」の改題の文庫版だった。それなら持ってるし読んでる。吉本隆明さんのコメントだけ再読したら、埴谷さんは観念をとったけど自分はそれくらいなら生活をとる、という意味のことが書いてあった。観念と生活は全然対立しない二項のようだけどジョイスの「ダブリナーズ」について書いたときの自分と生活ということも同じだしトニオ・クレーゲルの芸術家と俗人も同じことを言ってるしラスコーリニコフの殺人理論も同じだ。少なくとも自分の位置からはそう見える。
すごく自分に引きつけて言うなら、家人や子供と過ごす時間以上に重要な意味を、読書その他に置くべきではないということになる。今読んでる本の中で言われる「原理主義的」という言葉ともそれはつながっている気がする。いずれにせよ僕もどこまでも生活をとる。確かに一旦はそれを手放したつもりだったんだけど。