指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

女の子のかわいさ。

父親と息子というのは独特の情愛で結ばれているというのは繰り返し書いて来たことだけど、最近小中学生の女子の生徒さんと一定の時間を一緒に過ごすようになって、女の子のかわいさというのもなんとなくわかる気がするようになった。それは男の子のかわいさとはまた違っている。男の子のかわいさというのはとても雑な何かを背景にして、ときどきとてもこまやかな情緒が現れるところにその醍醐味があるのに対して、女の子のかわいさというのは初めからこまやかな情緒に支えられている、と言うと、芯を食ってはいないながらある程度当たってるように思われる。どうせこいつにはこんなこと伝わらないだろうと無意識に諦めていることが思いがけず伝わることがあるのが男の子のかわいさ、最初からこちらの配慮を理解し受け止めてくれるのが女の子のかわいさ、といった感じか。自分の娘のかわいさというのは僕には今後もわかる見通しが無いが、そんな風にして近似的に体験したつもりになっている。