指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

吉本さんの夢。

吉本隆明さんと面と向かって話し合う夢を見た。それまでどんな話をしていたのか憶えていないが、君の声はどうしてそんなに変なんだ、と不意に尋ねられた記憶が残っている。自分では今まで自分の声が変だとか思ったことは無かったけど、吉本さんにそう言われるならと原因を探ると思い当たる節があったのでそれについて説明した。正解かどうか先生に尋ねている生徒のような心持ちだった。その後で君はその声をどこまで届かせたいんだ、とまた尋ねられた。どこまで、と問われれば世界までという答えしか無い。世界までです、と答えながら涙がこぼれた。世界までか、そこまで行くか、という言葉にとても肯定的なニュアンスを感じ取って夢は終わった。
随分前だけどドストエフスキーが夢に出てきたことがある。そのときもうれしくて夢の中で号泣した。夢ってすごい。