どういう性質の本なのかちょっと説明が必要かと思う。
明治学院大学高橋源一郎ゼミで、
岩波新書の何冊かを取り上げて全員で読み込み、その後それぞれの筆者を招いて特別教室を開いた。内容は筆者の短めの講演と質疑応答。高橋さんも
ファシリテーターという位置づけとおっしゃりながら度々発言されている。その特別教室の内容を中心として、ゼミ生が書いた
岩波新書の各タイトルについての小文やゼミ生ど
うしの座談会などが収められている。特別教室は三回あってそれぞれ「
鷲田清一 哲学教室」、「長谷部恭男
憲法教室」、「
伊藤比呂美(すごい!一発で正確に変換した!) 人生相談教室」となっている。個人的にはどの著者の本も読んだことがないが、その考え方の独自性みたいなものはこの本を読むだけで充分わかるようになっている気がする。
伊藤比呂美さんという方はなんかすごいはちゃめちゃな人という印象があったけどとてもまともと言うか信頼していい優しいおばさんでかなり驚いた。長谷部恭男さんは
憲法学者で「近寄ってよく見ろ。」と一貫しておっしゃってるように思われた。
憲法九条に関する意見も独特で一読に値すると思うし、
憲法の役割は良識に帰れと伝えることにあるという説もとても納得が行った。
鷲田清一さんは哲学者。個人的には何かを知る、学ぶということは自己否定と言うかこれまでの自分を否定することによってなされるんじゃないかという実感があったんだけど、その通りのことが書かれていてとても共感した。もうひとつ「わからない」ということが契機として重要なんじゃないかとの指摘にはものすごく気を軽くさせられた。わからない、わからないと思いながら、これまでずっと本を読んできたから。それと学生さんたち。いつだって学生は疑問と悩みと迷いを抱えているんだなと今さらながら思った。かつての、あるいは正に今このときの自分自身と同じように。