指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

お休み二日目。

 子供の大学の公開日。乗り換え案内によると最寄りの駅から子供の大学の最寄りの駅までは一時間ちょっとかかる。そこからさらに送迎バスに乗るということで集合時間の二時間ちょっと前に家を出る。こんなに長い時間電車に乗るのも本当に久しぶりだ。駅に下りると送迎バスの停車場がどこにあるかでちょっと迷う。ここにも係の人を配置してくれたらいいのにと思う。それからバスに乗ってキャンパスへ。全体像はわからなかったけどかなり広大なキャンパスに思えた。自由に見て回っていいのかと思ったらいったん会場に全員集められてなんか偉い人の挨拶かなんかがあってそれから学食を食べてそれから係員の人に随行する形で見学することになってるらしい。すべてのプログラムにつき合うと全部で五時間以上かかるようで悪いけどそんなに長居する気は初めからないので挨拶の途中で失礼する機会をうかがう。ひとりの話が途切れたところで家人と席を立って入り口にいる係の人にもう時間がない旨断って会場を出る。バス停から会場まで学内を随分歩いたような気がしたけど帰りは全然迷わず途中で自販機で飲み物を買って休憩したりしながら歩く。送迎バスを見つけて乗り込むとすぐに発車する。緑あふれる本当にいい環境のキャンパスのようで感心する。ただ友だちもなくずっとひとりで時間を過ごす子供の姿をそこに読み込ませるとなんだかかわいそうな気もする。と同時にうちの子はそんなことまるで意に介さないのかも知れないとも思える。途中で寄り道していつものインド料理店に行きカレーとナンを持ち帰りにしてもらって帰る。すごくいいところだと思うと昼食をとりながら子供(今日は講義がないのでうちにいる)に言うと三年からキャンパスが替わるのが残念だと答える。子供もやはりいい環境だと思っているようだ。そしてやはりひとりでそこにいることを全然苦にしてないんだろう。「ノルウェイの森」のワタナベ君みたいに。だったらいつか緑みたいな素敵な女の子が声をかけてくれますように。いつものように一杯飲んで昼寝して塾。夜は駅前のラーメン屋さんに行こうかと話している。