指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

優しくされる。

 腰痛の続報。前回腰をやったときには痛みが取れるまで五日かかった。今回もそれくらいかかるかも知れないのでなるべく早めに知らせといた方がいいと思って昨日バイト先のシフト係のしーちゃんにラインして今日休めないかと打診してみた。前にも書いたように休むときには代役を立てなければいけないことになってる。でも僕には頼める相手が思いつかない。ひろたんや他の学生さんに頼まれて代役をやったことはある。でもだからと言って彼らに向かって代役を頼まれてくれないかと言えるかと言うと言えない。どうしてかはわからない。大体もともとが人に何かを頼むというのが極端に苦手だ。自分でできることは自分でやる。家の中でもそうなのでよく家人から言ってくれればやるのにと言われる。たとえば家人の近くにあるテレビのリモコンを自分で取りに行ったりしたときに。でもこれは性分なのでなかなか直らない。かっこよく言えばなるべく人に迷惑をかけたくないということになる。と思う。人から迷惑かけられても人には迷惑かけるな。なので代役の部分は端折って単に休めないかとしーちゃんに尋ねてみた訳だ。なかなか既読がつかないので忙しいのかなと思ってたら返事が来て今出先なので手元にシフト表がないんだけど帰社次第調整してみるとある。直後にもう一回ラインが来て明日だけじゃなくなんなら明後日も休みにしとくかということだった。やっ・・・優しい。代役立てろと言われるかと思ったらとんでもない。お言葉に甘えたいと返すとそれも含めて調整するけどその次の日も駄目なようなら早めに言って欲しいと返ってきてとにかく安静にお大事にと書き添えてある。すごい優しい。しばらくしてまたラインが来てとりあえず二日間は休みにできたが自分は他の仕事で出社できないのでその翌日も駄目なら他の社員まで連絡して欲しいとある。その上でいつもありがとうございますと感謝の言葉までもらう。確かにこのところシフトの穴を埋め続けてきたのでしーちゃん的には助かってる部分もあったと思うけど基本言葉がドライな人なのでそこまで感謝されてるともお休みに関してそこまで便宜を図ってもらえるともちっとも想像してなかった。でもまあ情けは人のためならずっつーことなのかなあ。家人を除くとこんなに誰かに優しくしてもらうなんて相当久しぶりのことのような気がする。
 という訳で今日はバイトは休み。昨日のうちにうっちゃんにだけそのことを伝えて謝ってある。午前中は痛みを押して夏期講習。午後は夕方のみ通常授業。午後はなんか劇的に痛みがやわらいで楽になった。明日はバイトに行けそうな気もする。でもここはしーちゃんのお言葉に甘えて休ませてもらおう。夏期講習の受講料が結構な金額になったので実は八月はそんなに必死に働かなくてもいい。なんなら一ヶ月休んじゃっても構わないほどだ。まあでも急に裕福になった訳でもないのでできる限りは働く。